正統派異端系

 スバルインプレッサのキャッチコピー。
中村獅童がイメージキャラクターで、
なかなかキャッチ−なコピーだと思う。

 ただ、正統派異端系とはどういう状態なのだろう?
恐らく「異端系」というカテゴリーの中で分類すると
「正統派」ですよ、という事なのだろうけど、
「異端」の中に、更に正統だとか異端があるのだろうか。

 「異端」という言葉を辞書で引くと、
「その時代の大多数の人から,正統と認められているものから外れているか,それに反対する立場であること。」
とある。つまり、異端とは正統とは全く異なる性質を持った
ものでなければならないのだ。
であるとすれば、少しでも正統派と認識されているのなら、
それは既に異端ではないのではないか?

 異端という言葉に人が惹かれるのは、
そこに何か危険で、刺激的な香りと可能性を見出すからだと僕は思う。
従って異端なものは、絶えず本流を脅かす存在でなければならない。
本流に対して常にアンチテーゼであり続けなければ、
そこに危険や刺激、可能性といったキーワードは生まれ得ないからだ。
 正統派異端系と認識された時点で、
それは本流にとってもある程度余裕を持って受け止められる
存在であり、真の異端では有り得ない。
言葉を変えれば、正統派異端系とは予想され、管理され得る不確定要素なのだ。
 そう考えると、この正統派異端系というキャッチコピーを
つけられるという事は、皮肉にもインプレッサ
中村獅童にある種の警告を発しているとも取れる。
インプレッサ中村獅童が真の異端者を標榜しているのであればの話だけれど。)
正統派異端系という言葉は「君の動きは既に見切っている」という異端者が最も避けるべきレッテルなのだ。